洋服屋の頃

Irinaka Story

Vol.3 "会社設立"

【有限会社設立】

個人事業、有限会社、株式会社などいろいろ業態がある中で、厚生年金、社会保険を確保する為に資本金が安い有限会社を選んだ。
また、有限会社の発足を司法書士にお願いする人もいるが、株式よりも簡単なので、ぜひ有限の場合は自分で手続きを。それでも15万円程度かかる、それともちろん資本金300万円もね。

お店を出す為に考えなければならないのは、大雑把に言うと、資金、立地、内装、仕入れ、備品、告知方法、ショップイメージなどを考えて、初期費用+固定費+変動費から売り上げのベースを弾き出し、ちょっと甘い計算書を作る。というか厳しいつもりでも甘く作ってしまうんだな~。

借り入れが必要な場合は、金融機関などからの融資を申請するが、僕の場合は国民金融公庫より借り入れをした。もちろん、金融機関は金の無い人には金を貸さない矛盾した機関なので、保証人ないし担保はしっかりと押さえられるのだ。金が無いから借りたいのにね~。

法務局などのお役所をぐるぐると回り、最短3週間ほどで設立できる。
同時に会社の実印や角印なども作り、会社の銀行口座なども作るのだ。
「おぉ、いよいよオレも代表取締役(社長)か。。。」などと勝手にエラぶって銀行に向かっても、
「そちらのカウンターで用紙にご記入くださいね~~」と窓口のおねぇちゃんにあっさり言われ、近所のばぁさんと肩を並べて用紙を記入するのがオチなのだ。ところが、あとにも書くが融資の時は態度が変わるよ~~~すっごく。さすが銀行!現金な人が多いね!

順序が狂ったが、最初の融資を国民金融公庫にお願いするときのネタを少々。

ここでは、当然ながら「事業計画書」なるものを提出しなければならない(というか説明できない)ので、これはしっかりと書きましょう。10ページを超える計画書を書いた覚えがあるな。これからの人のためにもう少し付け加えておくと、彼らは数字の整合性というのが大好きなようで、一つ一つの計算表の数字はどこのどの部分から発生していて、どのように流れていくのかを理論的にし~~っかりと説明できるようにしましょう。きっと彼らの鼻息も荒くなるはずです。

ちなみにボクの前の面接の人なんかは、なんとポーチ一つ(ほぼ手ぶら)で面接に挑んでいったのだ。
「(@@;)スゴイ人だ!」と驚いていたのもつかの間、剣もほろろに数分でつき返されておりました。くわばら。
10ページの事業計画書と商品サンプル(オリジナル)をもってして1時間半の面談、全ての数字の論理性を説明し終えた頃には、彼の目はうるうると満悦した輝きを放っていた。
通常は一週間から10日で審査が下りるようだが、相当早く2日後にはOKが出た。

 

【物件探し】

実を言うと、これが全てと言っても過言ではないくらいに、最重要科目なのである。
得てして店を出そうとしている人(もちろんオレもそうだった)は、早く店を出したい気持ちにまかせて、そこそこの物件でも自分の中で美化していいように解釈しがちなのだ。
しかし、それは大きな大きな間違いなのである。確かに仕入れのタイミングや、開店資金が生活費に化けてしまう危険もあるということを踏まえた上で考えると、あまりのんびりとも構えていられないのが現実だが、そこをぐっと堪えて目を付けた物件をじっくりじっくり観察することをお勧めする。
なんだか、起業のススメ的内容だが、ここはホントに重要な部分であることをわかっていただきたい。
で、自分はどうだったかというと、今思えば焦っていたことは事実だ。

いりなか何件か足を運び、いよいよ決めたのがみなさんもご存知の通り、「昭和区:いりなか」だった。
天井が高く、間口も広い。近くには洋品店もいくつか点在しているので相乗効果も期待できる。学生の街で活気もありそうだし、やや車が止めにくいかな~という不安要素はあったが、まぁ全ては揃わんかなと(こういうところが甘い!)、その年の暮れに契約書を交わしたのだ。

次は内装。
こういう時というのは不思議と運もあって、ちょうどこの数ヶ月前に友人が勤めていたショップ(三越内"ナイジェルケボーン")が閉鎖となり、什器をまるまる頂戴していたのだ

その什器から内装を考える。階段(中2階)があって、広いフィッティング、白紺+木の内装、お店の前面はガラス張りではなく、逆に中が見えにくいくらいの面に小窓が2つ、ん~いいカンジ。。。。
そして、工事がスタートしたのだった。

つづく



 
 

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洋服屋の頃

名古屋は昭和区に開店した小さなお店が、コットンウールのスタートです。
今ではすっかりWEB屋として認知され、弊社がアパレルだったことを知らない方も多くなりました。
まぁ、「一つの失敗が終わりではない」ってのを体感できたいい機会だったので、ここに残します。

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