なんでも会員登録
登録日:2008-11-15
なぜに会員登録をするの?
通販サイトによくある「会員登録」という機能。
ASPやCMSにも機能としてお手軽に追加できることもあって、とにかく会員登録をさせようとするサイトが多いと思います。
さてこの会員登録、主な機能は「次回から名前・住所等の入力の手間が不要」「お買い物の履歴が見られる」「注文した内容のチェックができる」といったものがあります。
とっても便利ですね。
ちょっと、まった!
よく考えて下さい。
CDや食材など、リピーターの多い通販サイトではとても有効な機能であることは理解できます。が、一度買ったら満足もしくは当分買われることのない商材を扱うサイトに会員登録は必要でしょうか。
逆に会員登録の手順(必要事項を記入--メールでの本人確認--登録完了--ログイン--購入)がわずらわしく、また、ネットリテラシーの低いユーザーはそれが面倒で離脱してしまう可能性が出てくると思います。
会員登録がアカンということではなく、本当にそのサイトに有効かどうかを検証するべきで、しかしながら、「○○のサイトがそうだから」といった安直な理由で会員登録機能を設置しているウェブマスター様が多いのです。本当に多いのです。
ホームページ、中でも通販サイトを構築する場合は、まず商材、販売方法、ターゲット等を十分考慮した上で、機能をじっくり厳選すべきと思います。基本は「分かりやすく」が重要です。
会員登録機能など様々な機能で少しでも多くの顧客を獲得したい気持ちはわかりますが、ユーザーに無理強いは禁物。まずは商材とコンテンツで勝負すべきでしょうね。
使わない機能のせいでプログラムが重くなったり、サーバーの負荷がかかったり、さらにはセキュリティホールになってしまってもいけませんし・・・。
もっと広く考えると。
フィッシング詐欺というのをご存知ですか?
その手口は、まずヤフーなど会員登録のあるサイトのそっくりニセモノページをどこかに作ります。
次に、ヤフーの管理者を装い「パスワードの更新時期だから、このページからアクセスして更新してね」なるメールをテキトーに誰かに送りつけます。そのとき、「このページ」のリンク先は先ほどのニセモノページに飛ぶようになっており、それに釣られてIDとパスワードをニセモノページで入力すると、その情報が悪者の手に流れてしまいます。あとはその悪者が釣られてしまった人になりすまして、その人のマイページを乗っとります。悲惨なのはクレジットカード情報などを登録していると、勝手にお買い物されてしまうこともあります。
2007年のちょっと古いデータですが、アメリカでフィッシング詐欺による被害額は32億ドルだそうで、しゃれにならない金額ですね。もちろん日本国内でもフィッシング詐欺による被害は拡大しており、その多くは「会員サイト」を偽装したニセモノに釣られる内容です。
自分自身そうですが、自分が会員登録したサイトは全部覚えていないことが多く、実際どこかの会員サイトからの管理者を装ってメールが飛んできたとしても疑うことなくクリックしてしまいそうです。とくにネットリテラシーの低い方であれば引っ掛かる可能性は高いと思います。
これらのことからして、必要性のない(または薄い)会員登録というものは、いっそない方が世の為なのかもしれません。(フィッシング詐欺をもっと詳しく知りたい方はこちら)
「ウチのサイトなんて乗っ取られてもクレジット情報もないし大事には至らない」
と思われる方もいると思いますが、個人情報が洩れることはやはり大事ですし、もっと踏み込んで言うと「ID/PASSはどこも同じもので登録している人」はとても多いのです。
ですから、どこかで一度ID/PASSが洩れると、ヤフーやアマゾンなどの会員数の膨大なサイトでそれを使われることも想定しなくてはなりません。
もし、自分の通販サイトのID/PASSが他サイトで悪用されたら・・・・どうですか?
6年前に書いた内容ですが、漏れたID/PASSを使った「リスト型攻撃」という不正アクセスが現実となり非常に多くなりました。
サイトを運営するというのは、トラブルを起こせばそれなりの社会的責任というのも問われるので、サイト運営のリスクをしっかり考えないとイカンですね。
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